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  • 源津 憲昭/NorthQuest

P-08. 点から面へ、問題の全体像を見る

更新日:2020年12月2日

地域や経営、あるいは自分を取り巻くいろいろな問題の全体像が見え、攻めどころもわかるとしたら助かりませんか?今回の「問題分解ツリー」はそれにピッタリ、あなたも今日から試してみましょう。


BREAKDOWN


人口減少の問題分解ツリー

図1にいま私の住む美瑛町が直面している「人口減少」の問題分解ツリーを示しました。

  1. 「人口減少」というキーワードを中心に置き、左側に「人口減少」の原因をさかのぼったキーワード、右側に「人口減少」が原因となって次々と引き起こされる結果をキーワードで書き連ねます。

  2. チャート全体として、左から右に「原因→結果」の関係となるように整理します。(因果関係と言います)

  3. 細かい問題はできるだけ大きな概念に丸め込みます。

  4. 複数の原因や結果があるときはキーワードを枝分けさせます。

  5. 今起きていることがこのツリーでおよそ説明できるかチェックします。異論があれば納得いくまで修正します。

ツリーの読み方ですが、「→」は、「~ならば」とか「~すると」「~となれば」のように読みます。たとえば、

  1. (後継者がいなくて)離農や閉店が増えれば、高齢化が進む

  2. 高齢化が進めば、(いずれ寿命となり)人口減少となる

  3. 以下省略

図1.人口減少の問題分解ツリー
図1.人口減少の問題分解ツリー  -左から右に原因→結果となるように、いま起きていることを左の原因側と右の結果の波及側として、面であらわした分解ツリーをつくる。これによってボトルネックが見えやすくなる。


問題分解ツリーの情報量

いかがでしょうか。ひとことで「人口減少」と言えばそれでおしまいですが、人口減少を取り巻く要素を面として幅広くツリーに分解すれば重要な情報を読み取れます。

  1. いちばん右側にある結果が、いちばん左側の「若者流出」に逆戻り、つまり「人口減少」→「生産縮小」→・・途中省略・・→「若者流出」という負のスパイラルを描いている。

  2. この悪循環のボトルネックは「生産縮小」で、こ冷静が「生産の拡大」になれば悪循環は断ち切れる。よって人口減少の問題の最重要課題は「ひとり当たりの付加価値額の増大」となる。地域の総生産=(人口)×(地域の総生産)÷(人口)

  3. 企業レベルでは原材料ー中間材料ー製品ー販売にわたる事業範囲の拡大(6次産業化)による生産の拡大。外部資本の場合は、概ね雇用の分しか生産額に寄与しない。

  4. 個人レベルでは、再教育による起業支援で地場企業として生産増に寄与する。(新規就農もこれに入ります)


いままでのキーワードの世界

このように見ると、いままで聞こえた人口減少のキーワード、「過疎化」、「少子高齢化」、「人口減少」、「人口ビジョン」などはそれだけでは何の意味もないと気がつかれましたか?


事業や施策として、「活性化」「まちおこし」「担い手確保」「交流人口」「足腰の強い産業」など実にいろいろなキーワードを名目にしても、図1のボトルネックの「生産縮小」にインパクトがなければ意味がないのです。もったいないことです。



原因から攻めるか、結果から攻めるか

このように問題を面として展開したとき、原因を押さえればいいもの、結果を押さえればいいもの、両方考えないといけないものがあります。短期的には結果の方を、長期的には原因の方をみるなど使い分けることもあります。



まとめ

個人として、問題分解ツリーを書く習慣をつけると思考力が養われ、複雑な問題に気軽に挑戦できるようになります。新ビジネスを模索する起業家にも必須です。


地域や会社で、組織の革新にむけプロジェクトを作ったときも、問題分解ツリーはチームのコミュニケーションのよい手助けとなるでしょう。組織のリーダーの方には必要ですね。


私も若い時、カフェで考えごとをペーパーナプキンにツリーで書いて、アイデアが熟したら急いで仕事に戻ったことを思い出します。ツリーは応用範囲が広いので、また続編でお話したいと思います。では、皆さまの質問やコメントをお寄せください。

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