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  • 瀬野のりあき:起業コンサルタント

M-15.「アメリカの経営学者はドラッカーを読まない」との見出しに引き込まれ購入した本

最終更新: 7月29日


本のタイトルは、「世界の経営学者はいま何を考えているのか」

著者は、入山章栄氏(いりやまあきえ)早稲田大学ビジネススクール教授であり、英治出版から2012年に出版されました。その中にドラッカーの記述があります。


ドラッカーは、「経営学の父」とも言われる思想家です。日本人ほどドラッカーが好きな国民はいないといわれます。それは、書店に置かれた本の数々をみればわかります。「マネジメント」や「もしドラ」などを手に取り読まれた方もいるでしょう。


ドラッカーの著作には、主に3つの批判があります。

①科学的ではないのではないか

②著作の表現・記述が断定しすぎるのではないか

③引用が少ない

などが挙げられます。


このつについては

①科学的とは、再現性があること、そして因果関係があることです。

②表現・記述については、99%はそうなるが、1%はそうならない場合でも100%そうであるかのような強調された表現をすることです。

③引用が少ないこととは、既に誰かの研究や著作で発表されたことであれば、研究者や著者などの記述をする必要がありますが、それが曖昧になっているということです。


入山氏は、なぜアメリカの研究者はドラッカーに興味を持たないのかについては

「ドラッカーの言葉は名言であっても科学ではない」からと推論しています。


この本を読み進めていくと、興味深い記載が多くあります。

・組織の記憶力を高めるにはどうすればよいか

・見せかけの経営効果に騙されないためには

・社会関係資本は、子どもの学力向上に役立つか

・日本人は本当に集団主義なのか、それはビジネスにプラスなのか

・経営学は本当に役に立つのか

納得をしながら、疑問をもちながらも読みすすめました。そして自分がなぜ経営学を学び始めたのかを思いおこしました。


組織には「マネジメント」がある

私が経営学の必要性に気づいたのは、郵便局に勤務している時でした。民営化を機に組織の運営のために「マネジメント」の導入が進められました。

「組織」があれば、いかなる場合でも、形が違えども、「マネジメント」が存在します。

ドラッカーは、組織における「マネジメント」の必要性を、端的に記述しています。

第一に、マネジメントには基本と原則がある。

第二に、基本と原則は、それぞれの組織のおかれた状況に適用する。

第三に、基本と原則に反するものは、例外なく時を経ず破綻する。

いまになって考えると、郵便局の民営化後の組織の方向性を示すものとして、重要な考え方だと思います。しかし、当時は組織としても、個人としても「マネジメント」を受け入れることは難しいものでした。・・・人の意識を変えることは、難しいことです。

変わることは難しい・・・経営学は、つきつめていえば人間、あるいは人間の集団(組織)の意思決定を分析することが主要なテーマです。人や組織が変わるということに大きな関わりを持っています。


経営学の3つの基礎的分野

入山氏の著作の中で私が最も興味深く読んだのは、経営学が3つの基礎的分野をもとに研究されていることです。

経営学の基礎は

①経済学に基礎をおき、「人は本質的に合理的な選択をするものである」という仮定のもとに研究されている。

  

②認知心理学に基礎をおき、「人や組織は情報を処理する能力がなく、それが組織の行動にも影響を及ぼしている」という考え方を出発点にしている。

③社会学の考え方を基礎におき、「統計学やシミュレーションを使い社会現象の研究を行い、人と人あるいは組織と組織がどのように社会的に相互作用するか」を経営学に応用する。


マネジメントには心理学も必要

私がマネジメントを学ぶうちに心理学の必要性を感じたのは、認知心理学が経営に大きな

影響を与えていると感じたからです。50歳を過ぎてからの挑戦は、楽しくもあり怖さも

ありました。しかし、一番感じたのはワクワク・・・新しいことが入る感覚です。

心理学概論、発達心理学、教育心理学、臨床心理学、教育カウセリングなどを学びながら

「そうなんだ」と思いながら頭の中で何かがつながるのを実感しました。いままで単独で

存在していた知識が全く関係のないように見える知識とつながるのです。

教育心理学や教育カウセリングは、旭川市内の私立高校の生徒間対話で進学や就職で悩む

高校生の話を聞くときなどに役立っています。

興味のある講習なども進んで受けました。脳科学者の中野信子さんの講習会に参加した時

には、論理的な脳、思考について話をされて、メタ認知の重要性を教えてくれました。

社会学者を訪問して面談の機会を得ることもありました。その方は、私が美瑛町から来た

こと、観光の町であることなどを話すと、観光に使える資源について話をしてくれました。


ドラッカーの言葉は科学ではない?

最初の話に戻しましょう。なぜアメリカの研究者はドラッカーに興味を持たないのかについては、「ドラッカーの言葉は名言であっても科学ではない」と書かれています。

私が心理学の基礎で学んだ中に、心理学が科学だといえる根拠は、答えを導き出す過程にあるということでした。大きくは、3つあります。

1つには、観察です。2つには、質問です。3つには、実験です。

これらを組み合わせて心理学における科学的根拠を探し出し、答えを導き出すのです。

ドラッカーは、自らを社会生態学者といっています。社会生態学者は社会を観察し、それ

を記述するものだというのです。

そこには社会や組織を観察すること、コンサルタントとして企業組織に入り込み社員や経営トップから話を聞き質問すること、目の前で起きていることに対して、仮説を立てそれを検証することなどが含まれるでしょう。

私はドラッカーの社会生態学者としての仕事は、心理学が科学だという根拠を導き出す方

法にとても似ていると感じています。




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