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源津 憲昭/NorthQuest

P-04. 問題の構図を見える化/チャート事例

更新日:2020年12月2日

今回は、問題の構図を見える化は実際の問題でどうなるか、それが役立つものなのか見ていきたいと思います。



実際の問題に応用できるか

下図は、観光客の農地への侵入問題について私のブログ(※)で使ったチャートです。農地の侵入があると、農家から見て問題がどのように波及していくか示しています。問題が上から下に波及していく様子を因果関係(※原因と結果)であらわしています。★印が農家にとって最も深刻な問題です。


『農地観光の研究ー1~真の問題』 (2016.9.9 びえい未来ネット)

※なにか原因が結果になる、その結果が原因となって別の結果になる連鎖反応。



引用 『農地観光の研究ー1~真の問題』 (2016.9.9 びえい未来ネット)


チャートなしの話し合い

2016年にこのブログを執筆したころ、この問題は長いあいだ観光セクターと農家の摩擦となっていました。おそらく問題の全体像を共有していないと考え、農家の方にヒアリングしてこのチャートをつくりました。すると両者の主張の違いがわかりました。

  1. 観光セクターは観光客と農家の摩擦、観光マナーが問題だと主張しています。原因(チャートの上側)に目を向けています。

  2. 農家側はひとことで仕事の邪魔、作物の被害が問題だと主張しています。結果の波及方向(チャートの下側)に目を向けています。

  3. チャートなしで話しあっているので、話は平行線になりますね


チャートを共有し、新たな論点を展開する

もし上のようなチャートを用意して観光セクターとの話合いに臨めば、農家はつぎのように踏み込んだ主張ができます。

  1. マナー対策で農地の侵入が防げない場合、もし★印の問題が起きたらどうするのか?

  2. マナー対策だけでは、農道の乗り入れの問題は解決しない。規制が必要だ。★事故や作業の影響に対してどうしてくれるのか?

こうなると観光セクターも別のチャートをつくって対応を考えます。つまり、問題を見える化(チャート化)すれば膠着した状態からあらたに展開し、より次元の高い話し合いとなる可能性がでてきます。



ワンポイント

  1. チャートを書かなくても、あなたの考えがこのように整理できていればいいのです。チャートにあらわした話のすじ道をロジック(論理)といいます。

  2. 相手と話がすれ違うのは、相手と自分のチャート(ロジック)が違う、あるいは同じチャートの別のところを見ていると考えます。

  3. 以上から、自分の考え方のチャートが頭のなかにできている人は、問題を解決を導くことも、問題をそらしたり隠したりして利益誘導することもできることになります。

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