あらすじ
ものがインターネットとつながる第4次産業革命の時代。定型的な仕事はAIが行い、非定型的な仕事の割合が増します。働くひとは、ものとインターネットの分野に広くまたがる複雑な問題や、創造的な問題に対応するスキルが求められます。
総論
ーー以下は報告書原文、筆者による訳ーー
世界経済フォーラムのダボス会議2016の報告※によれば、仕事で重要なスキルTOP10の35%が2015年から2020年の5年で変わってしまう。(下図Fig-1)
第4次産業革命※によリ2020年までに、ロボット、自動運転、AIや機械学習、高度な材料、バイオ技術やゲノム科学が進化する。いまの生活や仕事のスタイルが変化する。いまの仕事は消え、ほかの仕事が増え、そして今はない仕事があたりまえになるだろう。
※第4次産業革命:第1次は蒸気機関、第2次は電気と内燃機関、第3次はデジタルとインターネット、第4次はモノとインターネット( IoT, インタストリー4.0 )
この報告書は、産業や地理的な違いを越え、雇用、スキル教育、あるいは求人にかかわる人に、いま起きている変化の意味を問いかけます。
大きく変わるスキル
創造性(Creativity)がTOP10に入ってきた。新製品や新技術、そして新しい働き方が雪崩のように押し寄せ、この変化の恩恵にあずかりたい働く人は創造的であることが求められる。
2015年にリストにあった交渉力とか柔軟性に関するものは、2020年にはビッグデータを使った機械による意思決定が始まるため、順位が下がる。
当フォーラムの調査によれば2026年ごろまでにAIが取締役会の決定の一部を担う期待もある。また、心の知能指数もすべてのひとに求められるスキルになるだろう。
産業における変化
スキルの変化は産業によって異なる。グローバルなメディアや娯楽産業はすでにこの5年で大きく変貌した。金融サービスなどはこれから劇的に変化する。販売や製造に働くものは技術にたいするリテラシーといった新しいスキルが必要だ。
モバイルインターネットやクラウド技術はすでに働き方にインパクトを与えている。AI、3Dプリント、先端材料など実用の初期にあるものも、変化のスピードは速いだろう。
変化は私たちを待ってくれない。ビジネスリーダーや教育者、行政に携わるものは、スキルアップとか再訓練を率先し、だれもが第4次産業革命の恩恵にあずかるように取り組む必要がある。
ーー以上、原文おわりーー
TOP3スキルの解説
2020年に求められるスキルのTOP3にこのブログのテーマ、問題解決の関連が入っていることに注目してください。
創造性 (Creativity)
(事例)・・新幹線のアイデア。 現在より10倍も速い汽車が欲しいと仮定、そのために何を実現しなければならないか考える。結果を仮設すれば、ふつう考えてもみないな創造的な解を考えないといけない。起業でいえば、あと2か月しか運転資金が持たないときは、2か月の間に解を考えないといけない。それしかないと。 引用:スタンフォード大学|『創造性を問題解決に活かす』
クリティカル・シンキング(Critical Thinking)
事実を客観的に分析し、合理的な判断をする能力をもたらす思考法。データや事実、客観的な事象や調査結果などを評価するときに用いる。これができるひとは情報の組み合わせて合理的な結論を導き、些細なことの重要性を判別し、問題解決や決断を行う。 たとえば、事故現場の看護師は状況を見極め被害者の治療順位を決める、配管工は作業ごとに最適な材料を選ぶ、弁護士は証拠を見定め勝訴するか和解に持ち込むかの戦略をたてる、マネージャーは顧客のアンケートを分析しカスタマーサービス訓練コースを開発する。引用元
複雑な問題解決 (Complex Problem Solving)
複雑な問題解決スキルは能力開発できるもので、複雑な実社会における新奇ではっきりとしない問題の解決に活かせる。クリティカル・シンキングを土台に、ある問題をいろいろと異なる角度から観察し、いくつもの解決策を考え出し、ベストの解を選ぶ・・その問題や、問題に影響している環境、その解によって影響を受ける人びとのことを理解しつつ。引用元
まとめ
ここまで紹介した3つのスキルはすべて習得できるもので、その基礎となるのがクリティカル・シンキング(批判的思考)です。キーワードをGoogleで検索してみてください。
クリティカル・シンキング(批判的思考)は、他人を批判したり反対することではなく、 「なぜ」「本当にそうなのか」「だから何なの」と批判的に問ういながら、ものごとの前提と結論が正しいか検証し、本質を見極めます
ロジカル・シンキング(論理的思考)は、「ものごとを筋みちに沿って、要素に分解して考えること」であり、クリティカル・シンキングと組み合わせて使われます
北の若者塾ー問題解決のブログのゴールは、これら2つの思考法をともに学ぶこと。ダボス会議2016の資料をつかって私たちが学んでいることを確認しました。
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